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専門学校生とつくる13分~小学生が学ぶ省エネをアニメーションで~

皆さんこんにちは。

省エネについて語ろう、第3弾! 
毎度お馴染み?断熱先生です。

私たちは、

授業等でエネルギー・省エネルギーを学び始める「小学生」

にエネルギー・省エネルギーの大切さを伝える活動をしています。

今後のエネルギー問題を担う層に、エネルギー広報をすることが、
重要なファクターのひとつであると思っています。

一方で、私たちが、子どもさんに「エネルギーと省エネが重要だ」と、
ただ言ってみるだけでは、どうでしょうか?

じっと座って、話を聞いてくれるものなのか。
1時間、一人二人なら、聞いてくれるかもしれません。
10分だけくださいと思っても、
年頃のお子さんなら、動きたい、遊びたい盛りです。

省エネなんて難しいことわからない。
じっとしていられず、
その場から風のように走っていく様子が頭に浮かびます。
(実際に、私がそうだったようなので。)

では、どうするか? 

「10歳の頃の自分が学びたいと思えるような」

「家族に話したくなるような」

アニメーションを制作しよう!

今回は、この二つをコンセプトに据えて取組みました。

専門学校生から小学生へ省エネを。

今回、宮城県仙台市内にあるデジタル、デザイン系の専門学校と協力。
学生達の力を借りて、省エネアニメの制作に取組みました。

学生の意見を取り入れ、絵の力、3D画像の力を活用することで、
小学生が学ぶ、興味を引く内容を目指します。

内容は、グリーンエネルギー、発電のしくみ、カーボンニュートラルを

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業省)

そして省エネ・節電の方法を、

省エネって何?(資源エネルギー庁省エネポータルサイト

小学生へと伝えること。


専門学校生から小学生へ、

世代をつなぎ、エネルギー・省エネを伝えていく、

そんなプロジェクトとして、制作を実施。

学生の切り口から、わかりやすく、親しみやすい内容で、

将来を担う子ども達へ向け、

エネルギー、省エネの大切さを伝えます。


引きつける企画を。

さっそく、「小学生」に向けてのアニメとは、と考えることになりました
ですが、、、
プロジェクト開始の8月には、「省エネを内容に」としか決まっていません。

どうやったら、学びが得られ、興味を引くものになるのか、

悩みながら、学生達と議論を重ね、、、、

出てくる案は、「クイズ」形式で興味を引こうだったり、主人公を「ロボット」にしてエネルギーを伝えようというものだったりと・・・
様々ありました。

その中で、、、クイズで伝えようということに決定。
問いかけに対し、興味を惹かれるのではないかと考えました。

大喜利は小学生向けではちょっと難しいかも・・・ということで、クイズ形式に。
上の応答はイメージです。


子どもが見たいと思うキャラクターって?

次に悩んだのは、キャラクターです。
作品にとって、とても重要な要素です。
ポイントは、親しみやすいキャラクターをつくること。
「主人公」「マスコット」「先生役」を制作してもらいました。


主人公は元気よく!
マスコットはシロクマ!
頭の氷が溶けていく。地球温暖化の現状を踏まえたキャラクターで、子ども達にメッセージを。


先生役と言えば、テッパン。一目で「博士(先生役)」だとわかります。

学びやすい、面白いストーリーを。

企画とキャラクターが決まり、ストーリーラインを制作していきます。

まずは、絵コンテと呼ばれるアニメの設計図をつくります。
流れとイメージを形にしていきました。
クイズを交え、エネルギーの現状、省エネの必要性を盛り込んだ内容に。

絵コンテ(アニメの設計図のようなもの)右に台詞。秒数を図る等して、概形を決めていく。

やがてこれがVコンテという、動く絵コンテに。
設計図として、時間や内容の全体感が分かります。

音声ありの状態で絵コンテをつなげてみる。

この設計図の画の間にさらに画を入れ、

一枚一枚の絵をつなぐことで、絵が動いているように見せていきます。


今回の最終ゴールは、小学生に省エネを意識してもらうこと。

動画をつくるだけでなく、
実際に、放映、展示して小学生に見てもらおうと考えます。

場所は、山形県のとある雪の深い地域、一般開放施設を予定。

公開日は、2024年2月12日(月)


展示会に向け、完成を目指して。

Vコンテの後、
ここから、実際に画を描く「作画」作業へと入ります。

キャラクターの画を動かし、背景を描き、
3DCGの画像、グラフを合わせて、動画にしていきます。

学生達には、ハードスケジュールの中、奮闘していただきました。

2月2日(金)時点

これはこれでグリーンでクリーンな内容だが、、、
3Dの映像を、図を差し込む

これらを合体させ、2Dのキャラクターの動きと
3D画像、背景、グラフを合わせていきます。

すると・・・・・・

こうなります。

さらに音声、BGMを入れ、動画を仕上げていきます。

そして、2月7日(水)

これで完成!やった。ギリギリ間に合った。

・・・・・・と思ったのですが。(1カ所に修正が入りました(泣))
上の図のどこがまちがっているか、さがしてみてください。
(正解は最後に)


「省エネアニメ」完成!!

2月11日(日)奮闘の末、完成。(公開前日)
奮闘してくれた学生、納品いただいた先生のお力添えに心から感謝です。

1話目はクイズ形式で、エネルギーとはそもそも何か。日本の発電、エネルギーの現状やとカーボンニュートラルについて

2話目で、家庭での省エネの実践方法について、紹介しています。

ぜひ、ご覧ください!


シロクマと博士のエネルギー教室 

第1話 「エネルギーってなんだろう?」 

第2話 「お家でできる省エネを学ぼう」

最終的な作画枚数は、約800枚。
一枚一枚の画をつないで、10分弱の動画に。
アニメーション専攻12名の学生が作画を担当し、
私たちを含め、総勢24名のプロジェクトでした!

小学生の反応は?


同時に制作していたパネルと共に展示を実施。
お子さんと共に親御さんにもご覧いただきました。
ありがとうございます!

「分かりやすい」「勉強になった」という声が

アニメを見た小学生の感想・・・・・・

分かりやすかった。
・だいじなことに気づけてうれしかったです。
・勉強にもなるし、アニメでかんたんにわかる。

4名の小学生にヒアリング

制作に参加した専門学校生からは・・・・・・

・子ども達に伝えるということ・・・・・・
 難しかったです。初めは内容(エネルギー、発電等)が難しかったですが、自分が理解できていくと、今度は、小学生に向けて、言葉や内容を合わせていくことが大変でした。
・ホームページや参考資料を何度も見て、理解を深め、アウトプットとして、小学生向けにかみ砕くことを意識しました。
・アニメを見てくださった方から、わかりやすかった、勉強になったという声をいただいて、ほっとしています。

参加した学生達へのヒアリング

アニメを見た小学生の感想を聞いて、安心したようでした。

専門学校の卒業展での展示


学生達にとっても、子どもへと伝わるコンテンツを制作することの楽しさや難しさについて、多くを学べる機会となりました。
同時に「エネルギーや省エネについても勉強できました」と語っていました。

最後に


専門学校生から小学生へ、世代をつないで、省エネの大切さを伝えるべく、
一枚の絵をつないで制作したアニメーション。

「13分」です。

アニメを見る少しの時間を、
エネルギー・環境、省エネを学ぶ、考える時間にしてもらえたら。

そして、
私たちとともに、少しでも省エネのために行動してくれると
地球にとっても、うれしいです。


ライター:断熱先生


補足

答え:カーボンニュートラルの表明国の
    図と字幕が不一致している。
    125ヵ国1地域 → 145ヵ国  

2050年までのカーボンニュートラル(CN)に向けて取り組む国・地域※1):145
これらの国における世界全体のCO2排出量に占める割合は40.0%(2018年実績※2)
加えて、中国(32.0%)、ロシア(2.5%)、インドネシア(2.2%)、サウジアラビア(2.0%)等は2060年まで、インド(2.7%)等は2070年までのCNを表明するなど、CN目標を設定する動きが拡大。(これらの国における世界全体のCO2排出量に占める割合:89.4%)
※1【1】Climate Ambition Allianceへの参加国、【2】国連への長期戦略の提出による2050年CN表明国、2021年4月の気候サミット・COP26等における2050年CN表明国等をカウントし、経済産業省作成(2022年10月時点)
※2 GHG排出量は、IEA (2022), CO2 Emissions from Fuel Combustion(2020年時点)を基にカウントし、エネルギー起源CO2のみ対象

環境 | 日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」 |広報パンフレット|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)

世界中で、CO₂削減に向けた取組が行われているのです。


謝辞

アニメ制作に参加いただきました専門学校生の皆様、教員の皆様のご協力に、心より感謝を申し上げます。