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ミャクミャクと東北のご当地キャラが半導体の会に集結して
仙台市のとある会議室で、
東北地域の半導体関係者が、”未来社会”を語り合っていたときのこと。
会場の隅、薄暗がりの中で、大きなシルエットが揺れていた。
ざわめきが大きくなるにつれ、シルエットはゆっくりと姿を現す。
赤と青。誰もが知るあの鮮やかな色の公式キャラクターだ。
一瞬静まりかえった後、会場中が拍手喝采で沸く。
声:すごっ!ミャクミャクだ!
声:誰だっけ?
声:ミャクミャクですよ。ほら、万博の!
声:あ~!そういえばもうすぐ開幕か~
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大阪・関西万博がいよいよ2025年4月13日に開幕します。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、10月13日までの184日間、大阪市の夢洲(ゆめしま)を会場に、世界各国のパビリオンが、多様な文化や最新の情報を発信。160を超える国や国際機関から多くの人が集い、コンサートや多彩なイベントが開催されます。
ミャクミャクと「はいチーズ」
会に参加していた東北のご当地キャラクターたちも大興奮。
んだッチ:えぐきだな、まんずねまれ~
なまはげ型こどもロボットのんだッチが声をかけ、おもてなしの心から生まれたわんこきょうだい・とふっちと、ミャクミャクの両脇に立って懇親会に誘う。
きてけろくん:んだら、みんなで写真撮っべ!
口火を切ったのは、さくらんぼのブローチが目をひく麦わら帽子をかぶったきてけろくんだった。
むすび丸:いいね!撮ろう!
伊達政宗公の兜飾りをつけたむすび丸も賛同し、
むすび丸:真ん中はミャクミャクがいいよね!
みんな出演時間が短いので、急いで撮ろうとしたのだが・・・
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パタ崎さん:おっとっと!あぶなかったパタ~
山形のおいしいものがぎっしり詰まった、きてけろくんの旅行バッグに、大崎市から参加したパタ崎さんがつまづきそうになり、
きてけろくん:われな~
パタ崎さん:ぼくのリュックにも、大崎市のおいしいものがいっぱい入っているパタよ!いつもこれを背負って大好きな温泉に行ってるパタよ!
きてけろくん:あったかい温泉さ入りいぐだいな
かばんの中身談義に花を咲かせたかと思うと、
聞き覚えのある音楽が流れてきて、
はながたベニちゃん:ヤッショ~マカショッ!
テンションがあがったはながたベニちゃんが、花笠踊りを踊り、つられて、プロバスケットボールチーム・仙台89ERSのティナがプロ級のキレッキレダンスを披露する。
んだッチととふっちは、参加者と握手やハグがとまらなくなり、
なかなか撮れない・・・
その時だった。
むすび丸の呼びかけを見過ごさなかったミャクミャクが、会場の中央の方へゆっくりと歩みを進めた。
すると、まるで、静かな水面に石を投げ込んだときのように、
みんながミャクミャクの周りに集まりはじめ、
はいチーズ!!
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シャッター音が響き渡り、会場全体が笑顔に包まれた。
そう、何を隠そうミャクミャクは、
世界中の人たちがたくさん集まる万博の公式キャラクター。
多くの人を魅了し、たちまち惹き寄せられる。
知らない人、知らない文化、知らないアイデア。
オンラインではなく、リアルで出会い、
世界をより良くする新しい何かを生み出す場。
それが万博なのだ。
シリコンウエハとミャクミャク
パタ崎さんの手には、無数の光を反射する円盤があった。
半導体の心臓部ともいうべき「シリコンウエハ」と呼ばれる基板だ。
その表面には、目に見えないほどの微細な回路が刻まれ、未来のテクノロジーの重要な役割を担っている。
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パタ崎さん:このシリコンウエハの上に、未来を書き込むパタ!
むすび丸:うまいこと言うね。
きてけろくん:んだッチは”なまはげロボット”だげっど、万博さは人間とおんなじ顔しった”アンドロイド・ロボット”がいっぱいいるんだど!
んだッチ:ロボットのともだち、増えるべか。
ずっと未来の最先端ロボットは、
泣いたり笑ったりするのかな?
人間が落ち込んでいるとき、優しく声をかけてくれるかな?
大好物のきりたんぽ鍋や芋煮をつくってくれたり、
一緒にバスケしてくれるかな?
そんな期待をふくらませたり、
半導体関係者も加わって、
地域の人口減少、物流効率化などの社会課題の解決につなげたい、
AI×ロボット社会はどうあるべきか、
未来社会を真剣に思い巡らしたりして盛り上がり、
話は尽きないのだった。
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東北絆まつりin大阪・関西万博
声:宴もたけなわではございますが~
あっという間に時は過ぎ、閉会の時間になった。
はながたベニちゃん:東北絆まつり、今年は大阪・関西万博でやるベニ!!
東北絆まつりと聞いて、とふっちは、サッコラ~チョイワヤッセ!のかけ声で知られる”さんさ踊り”を踊りはじめた。
東日本大震災で被災された方の鎮魂や復興を願い、東北6市の夏祭りを集結させた「東北絆まつり」は、2025年は大阪・関西万博で行われます。
また、万博会場には、被災地や来場者からの「3.11や復興に関する思い」で成長するデジタルの「奇跡の一本松」も展示される予定です。
万博期間中は、ナショナルデーにあわせて、海外から民間企業の人たちもたくさん日本を訪れる予定とあって、
おもてなし精神旺盛なご当地キャラたちは、東北地域にお迎えする作戦会議をはじめたよう。
むすび丸:三陸沖のサンマを食べて欲しいな。わかめの味噌汁をつけると最高!
んだッチ:秋田犬に会いに来てけれ~!
声:世界の祭りだもんな。行かない手はないな!
声:私は夕暮れの、光と音のショーが見たい!毎日やるんだって。
声:みんなで万博にいくね!
ふと視線を向けると、そこにミャクミャクの姿はなかった。